米Chaosiumは、1980年代の日本を舞台にした「クトゥルフ神話TRPG」用シナリオ「The Sutra of Pale Leaves – Twin Suns Rising」を、2025年6月11日に発売する。著者はDamon Lang、Andrew Logan Montgomery、Jason Sheets、寺田幸弘。価格は42.99ドルで、ハードカバーの書籍版とAcrobat PDF版がセットで提供される。現在、Chaosiumの公式サイトにて予約受付が行われており、予約者にはAcrobat PDF版が即時に提供される。ただし、ハードカバー書籍は海外倉庫からの発送となり、日本への送料として55ドルが別途必要となる。
本作では、新たな舞台設定として1980年代の日本が描かれている。経済成長と技術革新が進展する中、世代間の対立や暴力団の活動、伝統と近代の衝突が社会に影響を及ぼしている。古代の信仰や神々、精霊たちは、資本主義社会の中でも存在の居場所を保とうとしており、現代社会に疲弊した人々は、新たな意味や救いを求めて精神的な組織に惹かれている。そうした背景の中に登場するのが、「The Sutra of Pale Leaves」と呼ばれる謎めいた経典である。この経典を通じて、「Prince of Pale Leaves」の名で知られる存在が人々の前に現れる。
「The Sutra of Pale Leaves – Twin Suns Rising」では、クトゥルフ神話に登場する黄衣の王を新たな視点から描いている。本作では、黄衣の王は「Prince of Pale Leaves」という姿で登場し、従来のように破滅のみをもたらす存在ではなく、助けを差し伸べるかのような存在として扱われている。しかし、彼に救いを求めた者は精神と魂を失い、やがてより大きな災厄が周囲にも広がっていくとされている。
本書には、「The Sutra of Pale Leaves」に関する包括的なガイドが収録されている。この経典が引き起こす危険な影響のほか、黄衣の王に関連する教団の構造と活動、新たに登場するクトゥルフ神話の怪物も紹介されており、他の「クトゥルフの呼び声」シナリオでも使用可能な資料となっている。
収録されているのは、三つの完全新作シナリオ。それぞれ単独でもプレイ可能であり、1980年代の日本を舞台にしたキャンペーンとして連結することもできる。
「Dream Eater」では、Ikaruga町の一画で金縛りや無気力、抑うつといった症状の急増を受けて、探索者が派遣される。すべての症例において、同一の奇怪な生物の幻影が目撃されているという。
「Fanfic!」では、発売を控えたアクション漫画の着想源に邪悪な起源があることが判明し、探索者たちは、その作品が広く流通して現実に深刻な損害をもたらす前に介入しなければならない。
「The Pallid Masks of Tokyo」では、新宿で暴力団員の遺体が発見されるが、その顔には一切の特徴がなかった。調査員たちは謎に巻き込まれ、東京各地で次々と現れる顔のない暴力団員の発生源を突き止め、阻止を図ることとなる。
なお、本作には「クトゥルフ神話TRPG」日本語版の企画・執筆を手がけるアーカム・メンバーズの寺田幸弘氏も執筆者として参加している。
外部サイト
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